「日系人慰問」公演

さて、服部と笠置、そして服部の妹・服部富子、女優・宮川玲子らが、松尾興行社長・松尾國三のマネージメントで、アメリカでの「日系人慰問」公演することになったのだ。

この頃、日本の芸能人のアメリカ訪問が相次いだのは、進駐軍の意向を反映。

『笠置シヅ子ブギウギ伝説』(著:佐藤利明/興陽館)

かつての敵国であるアメリカで日本のエンタティナーが、ステージに立ち、ハリウッド・スターと交流する姿が、新聞雑誌に掲載されることで「日米文化交流」を印象付けた。

服部にしてみれば、若い頃から憧れ、目指してきた本場アメリカのショウビジネスを肌で感じるまたとないチャンスである。

「東京ブギウギ」に始まり「買物ブギー」など、空前のブギウギ・ブームを生み出した服部のサウンドは、4ヶ月に及ぶアメリカ・ツアーの後、大きく変わってゆく。