経済ジャーナリストの荻原博子さんが、お金に関するお得な情報をわかりやすく解説する新連載「トクする!荻原博子のマネーNEWS」。今回は「被災後のお金の手続きは」です(イラスト:さかがわ成美)

被災後のお金の手続きは

今年は、日本が地震列島、災害列島であることをあらためて思い知らされる幕開けでした。

いつ、どこで起きるかわからない大規模な自然災害。もし遭遇したら、まずは命を守るために逃げることだけを考えてください。

すぐに逃げなくてはいけないような状況なら、預金通帳やキャッシュカード、印鑑、保険証、土地の権利証などは捜さず、そのままにしてすぐに逃げましょう。「財産」と呼べるもののうち、危険を冒してまで持ち出さなくてはならないものなんてないのです。

通帳やキャッシュカードは、紛失してしまっても、罹災(りさい)証明書と口座番号、本人確認資料の提示などで預金を払い戻してもらえます。

大規模災害なら、日本銀行が被災地の金融機関に「災害時における金融上の特別措置」を要請します。本人確認ができれば、キャッシュカードなどがなくても1日10万円(ゆうちょ銀行は20万円)の引き出しが可能に。自分が預金している金融機関が被災して、建物が倒壊した時には、ほかの金融機関が代わりに対応してくれます。

ネット銀行は、ネットが使えなくても、コールセンターに電話すればOK。本人確認ができれば、実店舗のあるほかの銀行の本人名義の口座に、1回10万円までなら振り込んでくれます。