常にストレス度はマックス
原因はストレス以外考えられなかった。当時、エアコンもないような劣悪な環境のシェアハウスに大人数で住んでおり、夏は灼熱地獄で、夜に1時間ほどしか眠れず、何度も熱中症になった。住人同士のトラブルも絶えず、プライベート空間はなく、騒音で落ち着かない環境。常にストレス度はマックスを更新し続けた。でも、苦学生の私に、そこを抜け出して1人暮らしする選択肢はなかった。
シェアハウスの住人の食事の匂いで吐きそうになった。食事の匂いを嗅いだだけでもうお腹はいっぱい。夕方にその日初めて口にするスプーン1杯の豆腐も、無理矢理押し込むような感覚だった。
冷たいものはもちろん、常温の水でさえ飲むのが辛い。お茶など少しでもカフェインが入ったものを飲むと胃酸が出る。もともとは1日4Lくらい水分を摂るような体質だったが、この頃は水分を摂ると身体が吸収せず、飲んだ後動くと「ちゃぽっちゃぽっ」というような状態だったので、白湯を少しだけ、ちびちびと飲んだ。
どろどろのおかゆや煮物しか食べられない生活が長く続いた。お土産でお菓子をもらっても食べられず、口に少し含んですぐに吐き出した。飲み込めば、また激しい腹痛に襲われる、と怖くて、気が気でなかった。
“普通食”が食べられるようになったのは、大学卒業が目前に迫った冬のことだった。だから、大学生活は、常に食にまつわる悩みと隣り合わせだった。