初候

葭(あし)始(はじ)めて生(しょう)ず
水辺でアシ(ヨシ)が芽吹き始める

日本は古くから「豊葭原瑞穂之国(とよあしはらみずほのくに)」と呼ばれたように一面の葭原に被われていた。

・新暦では4月19日〜23日ごろ
・この候の植物=片栗(カタクリ)
『七十二候を楽しむ野草図鑑 季節の移ろいの中で心穏やかに暮らす』(著:大海淳/青春出版社)

次候
霜(しも)止(や)みて苗(なえ)出(いず)る
降霜が終わり稲の苗が育ち始める

「八十八夜の別れ霜」といって、霜の心配がなくなり、苗代で苗がすこやかに伸びる。

・新暦では4月24日〜28日ごろ
・この候の植物=吸葛(スイカズラ)

末候
牡丹(ぼたん)華(はなさ)く
ボタンの花が咲き始める

ボタンは、そのあでやかな花姿から中国では「花の王」と呼んでたたえられてきた。

・新暦では4月29日〜5月4日ごろ
・この候の植物=蛇苺(ヘビイチゴ)

註)新暦該当日は、年によって1日程度前後することがあります。