回復が早くなる

果物はビタミンCを摂れるほかにもう一つ、良さがある。

果物に含まれる「糖類」が白米と比べてエネルギーに変換しやすいことだ。どっと疲れた時に食べると、“老いが進みそうな疲弊した状態”からの回復が早くなる。

旬のもののほうが栄養効果が高くなるため、管理栄養士で野菜ソムリエ上級プロの岸村康代氏は「冬はりんごや温州みかん」を勧める。

「りんごにはアップルペクチンという水溶性の食物繊維が豊富で、有害物質を吸着する作用があります。もちろん抗酸化力の高いポリフェノールも多く、老化や肥満予防に効果的。一日のうちに何回かに分けてこまめに習慣的に摂ることと、空気に触れて色が茶色くなる前に食べることを心がけましょう」

温州みかんは“肝臓の疲労”に効果があることが、農林水産省所管の研究機関「農研機構」の研究でわかっている。

「その研究は、毎日1本の大瓶ビールを飲んでいても、一日に2~3個の温州みかんを食べていると、肝機能の指標であるγ─GTP値が正常値に保たれるというものです。これはみかんに含まれているオレンジ色の色素のもと、βクリプトキサンチン(抗酸化物質カロテノイドの一種)の効果です」(田中氏)

ちなみに、似たような色のビワも抗酸化物質のカロテンやβクリプトキサンチンが多く、老化を防止し、疲労を回復して視力を保つという。