どこに住むか問題

迷っているもう1つが、どこに住むか問題です。

紀美子さんは、姉と2人姉妹。父は早くに亡くなり、いま86歳の母が働いて育ててくれました。その母が実家の一戸建てを建て替えた20年ほど前、敷地内に、姉夫婦は一家4人の家を建てました。

実家の建物の名義は母ですが、固定資産税は紀美子さんが払っています。実家の新築資金は紀美子さんも援助しましたが、「好きにしていいよ」と中身は母に任せっぱなしでした。

すると母は新しい家に、紀美子さんの部屋と、さらに「将来の、紀美子さんの子どもの部屋」までも作りました。38歳だった当時、紀美子さんには結婚の予定もなかったのに、です。

【関連記事】
シングル定年女性、老後の家をどうする?いつまで働けるのか、折り合いの悪い母と住むか、家を探すか…連立方程式のような「老後モラトリアム」
定年シングル女性に家は買える?長女はつらいよ、ローン撃沈でお先真っ暗!真面目に働いても、定年で「無職のシングル女性」に
アラ還、シングル、終の棲家探しはどこへ行く?家を失い、行政サービスから零れ、「透明な存在」にならないために

◾️本連載をまとめた書籍『『老後の家がありません』(著:元沢賀南子/中央公論新社)』が発売中