退職までがんばって節約して…
このサ高住は、一部の2階建てを除き、ほとんどの住居が長屋形式の平屋です。全戸南向きの角部屋で、高い勾配天井と広い窓のおかげで、室内は明るく解放感があります。
ただし玄関扉は、室内の様子が外からうかがい知れるようにガラス戸です。また、サ高住ならでは、毎朝、安否確認をされます。各棟は隣接しており、人目があります。1人暮らしの終末期の高齢者にとっては安心材料でしょうが、アラ還にはまだ、プライバシーのほうが気になりそうです。
紀美子さんは、12坪(約40平米)の1LDK、10坪(33平米)のワンルームも、チェックしました。ワンルームはさすがに「荷物が入らないか」と却下しましたが、12坪あれば意外に住めそう、と感じたそうです。あとは予算です。基本の間取りのまま、何のオプション工事もしなくても、12坪の部屋だと1920万円。
「もし60歳で退職するなら、この間計算したら、退職金は1900万円でした。だから、今年、来年と、退職までがんばって節約して、あと100万貯めようと思って。そうしたら2000万。このサ高住が買えるかな、と思って」