~花見の風景「お重の塔」~(作:田中達也)
ミニチュア写真家・見立て作家の田中達也さん。2017年NHKの連続テレビ小説「ひよっこ」のタイトルバックでも話題となった、ミニチュアの視点で日常にある物を別の物に見立てたアート「MINIATURE CALENDAR」で創り出された世界は、日本のみならず世界を魅了しています。Instagramのフォロワーは370万人以上。今回は『婦人公論』(4月号)にも掲載中、花見で用いられる食器や道具で日本の和の風景を表現した作品について。

~四季を感じて~
花見の風景「お重の塔」

桜の木の下にブルーシートを敷き、美味しい料理が詰まったお重を並べ、升にお酒を満たせば宴の始まりです。

日本人には馴染みのある花見の風景。今回紹介する作品は、そんな花見で用いられる食器や道具を使って、日本の和の風景を表現したものです。

ブルーシートに散った桜の花びらが、水面に浮かぶ花筏(はないかだ)に見えたことから着想しました。

作品名は五重塔とお重をかけて「お重の塔」。

また、春は出会いと別れの季節でもあります。

箸の橋から見送る男性と、花筏に乗って旅立つ女性。

この宴は彼らの送別会なのかもしれません。