2020年7月、浅草公会堂で『猿若揃江戸賑 厄祓浅草祭』を舞う勘九郎さん(右から)、勘太郎さん、長三郎さん、七之助さん。コロナ禍のため、無観客でライブ配信することになった

勘九郎 父は常に歌舞伎界全体の未来を考えていました。今はさまざまな娯楽があるなかで、歌舞伎を選んでもらわなくてはいけない時代だから大変。若い人や今まで観たことのない人たちにいかに歌舞伎に関心を持ってもらうかも、大きな課題です。

七之助 だからこそ、なるべく多くの方に歌舞伎に触れていただくため、僕らは05年から全国巡業を行っています。

勘九郎 普段、歌舞伎を観ることができる劇場は限られています。だったら自分たちが足を運ぼう、と。

七之助 始めた頃は20代前半ということもあり、僕らだけの公演で果たしてお客様が入ってくださるのか、正直、不安でした。でも、全国の皆さんに支えられて……。

勘九郎 22年には、47都道府県すべてでの開催を達成できました! 20年目を迎える今年は父の十三回忌追善ということで、勘太郎や長三郎も参加する「陽春歌舞伎特別公演」と、僕たち兄弟が中心の「春暁歌舞伎特別公演」で全国21ヵ所を回らせていただきます。