ドレッシング、混ざってなくても、いいのです

ソフィーから教わったレシピで、私が一番頻繁に作っているのは、フレンチドレッシング。

『パリのキッチンで四角いバゲットを焼きながら』(著:中島たい子/幻冬舎文庫)

本場ではヴィネグレットソースと呼ばれるものだけど、これも私の中で概念が大きく変わった。私が子供の頃は、市販のものも今ほど種類がなくて、母がドレッシングもマヨネーズも作っていたけれど、手作りはいまいちパンチがなく、たまに市販品を使うと味が濃くて美味しいと思ったものだ。

またアメリカに留学したとき学食にあったそれは、もったりと乳化したものばかりで何種類も選べて、サラダにかけやすくて喜んでいたら、みるみる太ってしまい、最後の方はコックさんにビネガーだけをもらってかけていた。

そしてこの歳になってくれば、買ってきたものは味が濃すぎるし、とはいえ自分でちゃんと作るのは面倒。ドレッシングというものに対して、どうも落としどころがなく不満のようなものがあったが、ソフィーのキッチンでそれが見事に解決された。標語にすればこうなる。

ドレッシング、混ざってなくても、いいのです。