スウィフトの代表作『ガリヴァー旅行記』

そして、そのスウィフトの代表作『ガリヴァー旅行記』ですが、もちろん子供向けのファンタジー作品というわけではなく、当時の社会に対しての痛烈な風刺文学なのです。

正式なタイトルは『船医から始まり後に複数の船の船長となったレミュエル・ガリヴァーによる、世界の諸僻地への旅行記四篇』。当初、その内容が大衆の怒りを買うのではないかと恐れた出版社が大きく手を加え、その初版が1726年に出版されました。そして1735年にオリジナルの完全なものが出版されたのです。

そして、その中身はご存知の通り、四篇から構成されています。

最初は「リリパット国」。小人たちの国の話ですが、これはカソリックとプロテスタントの対立を描いとものとされています。

次の「ブロブディンナム王国」は巨人の国のお話し。小人の立場から人間社会を見上げる様な話となっています。

そして次の「ラピュータ島その他の変物の国々」はスタジオジブリの「天空の城ラピュタ」のモチーフになったとされるもので、理論だけに頼ることの危険性や、人間の無知と視野の狭さを風刺しています。

最後の「フーイーヌム国」では人間そっくりの動物ヤフーが馬として使われています。ここでは人間性への深い洞察、そして理性と野蛮の関係を探ることで強力な社会批判を展開しています。

この様に『ガリヴァー旅行記』は子供向けのファンタジーではなく、まさに現代でさえも、我々大人が読むべき本である様に思います。

ガリバーの像(フリー素材)