アイルランドの音楽の世界
次にアイルランドの音楽の世界を見ていきましょう。
アイルランドはポップミュージックの宝庫でもあります。
アイルランド出身のポップ系の有名ミュージシャンといえば、シンリジー、クランベリーズ、ヴァン モリソン、シンニード オコナー、ギルバート オサリバン、そしてエンヤとU2などなど。
この中で特にアイルランド=ケルト的なミュージシャンはなんと言ってもエンヤでしょう。
エンヤ(Enya)の本名はエニヤ・パトリシア・ニー・ブレナン。アーティスト名のエンヤは彼女の名前でもありますが、音楽プロデューサーを務めるニッキー・ライアンと、その妻で歌詞を手がけるローマ・ライアンとの共同プロジェクトの名前でもあります。そのエンヤは1961年アイルランド生まれのシンガーソングライター。ケルト音楽のエッセンスをベースにニューエイジ、ポップ、クラシック、アンビエントミュージックの要素を融合させた音楽は唯一無二です。
エンヤの音楽キャリアは、彼女の家族で結成されていたバンド、クラナドの一員として始まりましたが、1980年代にソロとなりました。そしてエンヤのソロデビューアルバム「Enya」を1987年にリリース。その後アルバム「Watermark」(1988年)をリリース、その中の曲である「Orinoco Flow」がグローバルヒットとなり、エンヤの名を世界中に知らしめました。
エンヤはその後も多数のアルバムをリリースし続けますが、特にアルバム「A Day Without Rain」からのシングル「Only Time」は、2001年の9月11日の同時多発テロの後に広く流され、多くの人々に慰めを与えました。また、「May It Be」という曲が映画「ロード・オブ・ザ・リング」で使われて、アカデミー賞にノミネートされたこともあります。
エンヤの音楽は何度も録音で声を重ねたレイヤードボーカル(一つのメロディーに対して100回以上も声を重ねているという説もあります!)を駆使した壮大で幻想的なサウンドが特徴で、その売り上げはCDベースで推計7500万枚。ニューエイジ音楽として最も成功したアーティストの一人と考えられています。
プライベートでは非常にプライバシーを重んじる人物としても知られ、公の場にはほとんど姿を見せず、なんと一度もライブをやったことないそうです。そのミステリアスな雰囲気もエンヤの魅力の一部となっています。