砂利輸送
現在の相鉄本線にあたる路線は、1926(大正15)年5月に神中(じんちゅう)鉄道が開業させたものだ。
最初に開業したのは、二俣川(ふたまたがわ)から厚木の間で、同年4月には茅ケ崎方面から延伸を続け、厚木へと到達した相模鉄道と接続した。
当時の相模鉄道や神中鉄道は、蒸気機関車列車が中心で、砂利輸送を行なっていた。東京圏の大手私鉄としては、異色の経歴を持つ鉄道である。
人を運ぶことが第一ではなかったのだ。
その後、神中鉄道は横浜市中心部に向かって延伸を続け、1933(昭和8)年12月に現在の相鉄本線にあたる区間が開業した。
ちなみに、1941(昭和16)年11月に神中鉄道の旅客輸送は厚木へ向かうのをやめ、海老名に向かう路線になっている。
それぞれの会社は前後して東急の五島慶太の手に落ち、1943(昭和18)年4月に合併した。
しかし、戦時輸送のために相模鉄道の区間は国有化することになった。
そこで、もともとは神中鉄道だった路線が、相模鉄道となる。アジア・太平洋戦争末期から終戦直後の混乱期は、経営を東急に委託していた。