びっくりするような価格

しかし、たとえば東京都北区のJR埼京線の十条(じゅうじょう)駅前の市街地再開発事業によって誕生するタワーマンション(タワマン)は、間取り2LDK~4LDK・住戸面積58~92平方メートルで、販売価格は8050万~1億5890万円です。

坪単価は約500万円、つまり66平方メートル(20坪)で1億円です。

『なぜマンションは高騰しているのか』(著:牧野知弘/祥伝社新書)

私は長らく不動産業界に身を置いてきましたが、誤解を恐れずに申し上げるなら、この立地の相場観からはびっくりするような価格です。

たまたま、この物件の発売前に、事業関係者と話す機会があったのですが、彼らですら「驚きの価格」と言っていました。

ところが、売り出してみると反応は上々とのことです。確かに、徒歩1分の十条駅から埼京線直通で池袋(いけぶくろ)まで7分、新宿(しんじゅく)に13分、渋谷(しぶや)には18 分という交通利便性、また充実した商店街など、評価できるポイントはあります。

それにしても、板橋区の下町、十条エリアで坪単価500万円は、驚き以外の何物(なにもの)でもありません。