流派が違う

そして習った経験がある人、今、習っているという人にいろいろと聞いてみた。私とは違う流派で習っている人は、

「畳半畳を三歩で歩くようにといわれています」

といった。私が教えていただいているのは裏千家なのだけれど、半畳は二歩で歩くようにと師匠からいわれている。畳の縁を越して入るときには右足、出るときは左足を守るようにと教えていただいた。しかし三歩となると、その法則が崩れてしまうので、流派によってそれぞれ作法が違うのだろう。

他にも、

「御菓子を二口で食べるようにといわれているのが辛い」

といっている人もいて、そこまで厳しいのかとびっくりした。たしかに御菓子のなかには、何度も懐紙の上で切っていると、ぽろぽろと崩壊してくるものもあって焦るのは事実である。

私はなるべく御菓子は味わって食べたいので、小さい干菓子などはともかく、主菓子のある程度の大きさがあるものは、正直、二口で食べるのはもったいなくて、ゆっくりと味わいたい。

この話を師匠にしたら、

「昔は御菓子が今よりも小さかったかもしれないので、それも可能だったのでは」

とおっしゃった。たしかに干菓子などは小ぶりなもの、薄いものが多いので、二口で食べられる。しかし現代の大ぶりな主菓子を無理をして二口で食べたりすると、口の中がいっぱいになってしまうし、ほっぺたもふくらんで、あまり見た目はよくないような気がする。