埋葬場所と墓の場所が別

話は戻って平安時代。

天皇家は別ですが、藤原家のえらい貴族たちも、お父さんおじいさんの遺体がどこに埋葬されてるか、実は知りません。

「埋葬する場所はあそこ(宇治市の木幡というところ)」と決まっていても「ズバリ、ここ!」とピンポイントで知っているわけではないのです。

遺体が埋葬されたところに墓を作る(「埋め墓」といいます)のではなく、お参りするための墓を作って(こちらは「詣り墓」)、お墓参りはそちらに行く。

貴族ですらこんな具合ですので…庶民が亡くなったら、その遺体はほとんど“ゴミ扱い”といっても間違いありません。

地面を掘って埋めるどころか、放り捨てるだけ。