鴨川べりにも遺体がごろごろ

さすがに市中に病原体の苗床にもなりうる遺体があるのはまずいので、しかるべき葬送の地(鳥辺野、蓮台野、化野など)や、町外れに捨てに行きます。

ですから、夏はカップルで賑わう鴨川べりなどは、かつて遺体がごろごろしていたわけですね。

その遺体を野犬なんかが食い荒らすわけで…

雅やかな京都の町といったって、そりゃあワイルドな光景が広がっていたわけです。

※本稿は、『応天の門』(新潮社)に掲載されたコラムの一部を再編集したものです。


「失敗」の日本史』(著:本郷和人/中公新書ラクレ)

出版業界で続く「日本史」ブーム。書籍も数多く刊行され、今や書店の一角を占めるまでに。そのブームのきっかけの一つが、東京大学史料編纂所・本郷和人先生が手掛けた著書の数々なのは間違いない。今回その本郷先生が「日本史×失敗」をテーマにした新刊を刊行! 元寇の原因は完全に鎌倉幕府側にあった? 生涯のライバル謙信、信玄共に跡取り問題でしくじったのはなぜ? 光秀重用は信長の失敗だったと言える? あの時、氏康が秀吉に頭を下げられていたならば? 日本史を彩る英雄たちの「失敗」を検証しつつ、そこからの学び、もしくは「もし成功していたら」という“if"を展開。失敗の中にこそ、豊かな"学び"はある!