介護福祉士の栄子さん(仮名、60)
東京で、正社員として大企業に40年近く勤め上げても、退職金がもらえたとしても、老後は厳しい生活が待っています。女性の給料が低いため、年金も多くないからです。勤務先が中小企業や小規模事業者ならばなおのこと。
地方ならば、もっと給与も低く、その分年金の受け取りも少なくなります。そんな低年金生活を見越して、還暦前に「老後」の準備を始めたのが、東北地方の県庁所在地に住む介護福祉士の栄子さん(仮名、60)です。中古マンションを3年前に買い、VIO脱毛も始めました。
栄子さんが買ったマンションは、県庁所在地のJR駅から徒歩10分ちょっとの場所にあります。新幹線も乗り入れる駅前には、スーパー、飲食店、量販店、ブティックから映画館、コンサートホールまで、何でも揃っています。空港行きリムジンのバス停も自宅から徒歩1分。東京や行楽地には、飛行機でも新幹線でもすぐに出掛けられます。
さらに、内科、整形外科、歯科などクリニックや総合病院、有名な隠れ家レストランやバー、繁華街、銀行、郵便局、産直の農林水産物売り場まで、マンションから徒歩10分圏内にあります。住むのにはとても便利な立地です。少し遠いのは役所くらい。実家も、歩いて10分強で着きます。
「年を取って、車が運転できなくなっても、ここなら暮らせると思ったの」と、栄子さん。
車社会のこの市では、家族全員が一人一台、車を持っているのが普通です。バスなど公共交通機関は本数が少なく、車がないとどこに行くのも不便なためです。でも、栄子さんも、二人きょうだいの兄も独身。老後に面倒を見てくれる親戚はいません。
将来、車を手放した後も、自分のことは自分で始末をつける覚悟です。なので、「老後の終の住処」は、駅にも近く、歩いて全ての用事が済ませられる、このエリアを希望しました。