101歳の長寿を全うした生活評論家、吉沢久子さんが日々の生活 のなかで見つけた「幸せに生きる方法」「暮らしのアイデア」「 簡単に作れるおいしい料理」は今の時代を生きる上でもヒントがい っぱい。エッセイ集『100歳の100の知恵』(中央公論新社) から吉沢さんの極意を1つずつ紹介します。
<100歳の100の知恵 92>
<私のしないこと十訓>『世の中の競争のほとんどがどうでもいいこと。だから人と自分を比べない』
私は、人がなにをしているか、人からどう思われているかといったことには、なるべく無関心でいるようにしてきました。競争の渦中にも、入らないように注意しています。
世の中の競争のほとんどが、どうでもいいことです。そんなことにかかわらなくてもいいし、ましてや自分が当事者となり、誰かと競争するなんて面倒なだけです。
私が若い頃、マスコミの世界で活躍している女性たちは、あまり家事をしない方がほとんどでした。ところが私が一所懸命考えていたのは、効率のいい掃除の仕方や、ごはんの炊き方など。
そんなことを仕事にしている人は他にいなかったし、自分が関心のあることを追求していればよかったのです。
ライバル心というのは、ときに自分を奮起させ、がんばらせるための原動力となります。しかしやみくもに人と自分を比べ、ライバル心を燃やしていると、焦りや苛立ちが生じやすく、結局自分がしんどくなります。
「自分は自分」と思うのが、心穏やかに生きるコツではないでしょうか。