展示品は2階にもあり、資料室も併設されている

人間に興味はございません

研究会では参加者から、「どんな人や作品に興味をおもちですか」と質問が出ました。

そのときの先生の、「私は人間に興味はございません。風のそよぎ、雨の音、空気の流れなどを感じ、四季それぞれに流れている目に見えないものを可視化する。それが私の芸術のかたちです」という言葉が鮮明に思い出されます。

秋になると先生は、會津八一さんの「からすみ を いや こく すりて かまづか の この ひとむら は ゑがく べき かな」という歌を思い出すそうです。

かまづか、とは葉鶏頭(はげいとう)のこと。會津さんは庭の真っ赤なビロードのような葉鶏頭を、道行く人が垣根越しに見て、美しさに感嘆しているのがことの外の喜びでした。

茶室の様子。風炉先屏風や棗、水指、掛軸(右)も作品の一つ