意識の中枢は「心」 「喜」はどう生まれるか

東洋医学の「心(しん)」というのは、五臓の中の君主です。

火属性で、私たちの精神状態、思考、感情を司ります。

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そして、心は血脈の流れにも関係し、血の流れをコントロールしています。

心血が充実していれば、五臓や体全体を潤すことができて、精神状態のバランスを正常に保つことができますね。

この「心」は、「喜び」という感情に深く関わっていて、これは七情の中で唯一、ポジティブな感情。火属性ですから、上に向いて燃え上がる、前向き、そして活発というイメージがあります。

「心」について、『黄帝内経』では「主明則下安、主不明則十二官危」と書いています。

先ほども話したように、「心」は君主です。国の君主が安定していれば、その下の大臣たちは安心して、安定しますよね。反対に君主に異常があると、その下の大臣、すなわち五臓六腑などの全体のバランスが崩れて、健康が危なくなるよ、という意味です。

なので、「心」は五臓、感情のバランスを保つ働き、調節する働きがありますね。

そして、感情は、五臓以外に気の流れにも関係していて、喜ぶと気の流れはゆるやかになり、滞りなくスムーズに流れると考えます。これについて、『黄帝内経』では「喜則氣和志達、營衞通利」と書かれています。

過剰に喜ぶと、気がゆるくなりすぎて散ってしまいますが、適度な喜びは気を調和して、流れが早すぎず遅すぎずにならないように、ちょうどよく調整してくれる効果がありますね。なので、笑うと体がスッキリして軽くなるんですよ。

道理で、「病気に一番いい薬は笑顔だ、笑うことだ」とよく言われるわけですね。