LE VELVETSとの出会い
無名塾4年目のとき、京都に帰ってたまたまご縁があって、歌の先生の前で、レッスンで歌う機会があったんです。久しぶりに歌ってみたら、これがめちゃくちゃ気持ちよかった! あれ?歌うのってこんなに楽しかったっけ?という感じでした。
歌と踊りと芝居を全部ひっくるめて、ミュージカルに挑戦していたのですが、その中で「歌」が一番好きだということに気がついたんです。その後、シャンソンを歌う方々の会にゲストで出させて頂いたりして、個人で歌の活動を始めました。
そのタイミングで、LE VELVETSのオーディションの話を聞きました。「クラシックをもっと一般の人たちに身近に感じてもらうための活動をする」というところが、僕に刺さった。クラシックが遠い世界のものだという感覚は、まさに僕が大学に入ったときに感じたことだったからです。
それから大学でクラシックを学んで、オペラにも接してクラシックの世界に触れて、その素晴らしさに気づくことができた。だから一般の人たちにクラシックを知ってもらう活動は、まさに僕が目指すものでした。
でも一方で、無名塾では継続して仕事をもらっていました。もし、LE VELVETSのメンバーとしてオーディションに受かったら、仕事に穴をあけることになります。だから、オーディションを受ける前に、仲代さんに自分の気持ちを話しました。そしたら、しばらく間をあけて「わかった」と…。そして「そうしろ」と言ってくださった。オーディションに受かってから、ではなく受ける前にお伝えしてけじめをつけたかった。無名塾をやめて、不退転の決意でLE VELVETSのオーディションに臨みました。