老いを憂えるのは平和で平穏だから

60歳、70歳、80歳と、節目の年齢を迎えたとき、皆様はどんな気持ちになるでしょうか。

「まだまだ60代。100歳目指して頑張って生き抜くわよ!」と、鼻息荒く気合いを見せる奥様も入れ歯、もとい、いれば、「ああ、ついに60代に突入してしまった。もう、おばあちゃんじゃないの……」とお嘆きになった奥様もいらっしゃることでしょう。

綾小路きみまろさん「カツラを被り続けるのも『被らないといけないから』ではない。『被りたい』からです」(写真:本社写真部)

節目の年を迎えるたびにネガティブなことしか思わなくなったという、そこの奥様! それは、あなたが今、恵まれた環境にいるからこそ感じられるネガティブではないでしょうか。

なんたって、借金取りに追いかけられていたら、50歳になろうが、60歳になろうが、「年を取ったな。嫌だな」などと余裕をこいてはいられません。

朝元気、昼まあまあ、夜ぐったり。毎日が平々凡々、ちょっぴりうつ。

平和で平穏な生活があるからこそ、老いを憂える余裕もあるのです。