経済ジャーナリストの荻原博子さんが、お金に関するお得な情報をわかりやすく解説する新連載「トクする!荻原博子のマネーNEWS」。今回は「金利が上がる?ローンと投資の今後は」です(イラスト:さかがわ成美)
金利が上がる?ローンと投資の今後は
日銀がマイナス金利を解除しました。この先は徐々にですが、金利が上昇してくるかもしれません。そうなった時に、どう対処すればいいのでしょうか。
住宅ローンなどの借金がある人は、金利が上がらないうちに早めに返済すること。特に変動金利のローンは、金利が上昇してくると返済額が膨らむ可能性があるので、繰り上げ返済でなるべく元金を減らしておくとよいでしょう。
銀行預金については、大手銀行が普通預金の金利を0.001%から0.02%に上げ、地方銀行もこれに追随しています。ただ、この先どんどん金利が上がるわけではありません。
マイナス金利の解除で、銀行は皆さんから預かったお金を安心して日銀に預けられるようになりました。こうすると銀行は日銀から0.1%の金利をもらえる。皆さんから預かったお金に0.02%の金利をつけても、差し引き0.08%が確実に儲かります。このカラクリで預金金利を引き上げただけですから、ここからどんどん金利が上がっていくとは考えにくいのです。
投資については、一般的に、金利が上がれば投資家にとっては不利になるものです。
金利の上昇は国内景気を冷やすだけでなく、海外との金利差が小さくなるので、円高になりやすい。現在、日本では、海外の投資商品を買っている人が多いため、円高になると損をする人が増えます。さらに、今まで日本の株式市場を支えてきた外国人投資家が逃げるという事態にもなりかねません。