就活シーズンが、人生でもっともつらかった
日本では新卒一括採用であるがゆえに、就活シーズンになると多くの大学生が就活モードに切り替え、リクルートスーツを着て、就活サイトやマニュアルが提供する「自己分析」を行い、自己PRや志望動機、ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)を創作して面接に臨みます。
私は、日本の就活がそのようなものであることを知らなかったために、スタートに出遅れてしまいました。また、「なぜこんなことを就職活動している学生に求めるのか」という違和感だらけで、日本の就活のやり方を飲み込むのにも時間がかかりました。
早稲田大学ですから、周囲の日本人の友人たちの大半はそつなく就活に適応し、「このような私自身の経験から御社に憧れがあり」「この会社でこのような仕事に取り組みたいと思っています」等々、あることないことを作り出して面接を乗り切り、内定をもらっていました。
しかし私は就活用に自分を作ったり演出したりして、エントリーシートや面接のためにウソをつくことにどうしても抵抗がありました。入る気がしない会社にも応募して、本命のために練習するようなことにも積極的になれず、結果、数社受けたもののすべてダメでした。
私は本音ではジョージアのために仕事をしたいと思っていたのですが、大学卒業後すぐにそれにつながる就職先が具体的には見つからず、あまり本気でなく就活に臨んでいましたから「志望動機は?」などと聞かれても、困ってしまったのです。
就活がうまくいかないタイプの学生は皆そうではないかと思うのですが、落ちるとますますやる気がなくなり、「どうせまた落ちるんだろう」と自信もなくなって、さらにうまく話せなくなる負のスパイラルに陥っていきました。
就活していたころが、私の人生でもっともつらく、空回りしていた時期だったかもしれません。