厚生労働省が行った「令和4年 国民生活基礎調査」によると、人口1000人あたり20.3人が「めまい」の症状を訴えているそう。ストレス社会の現代では、「体がフワフワするめまい」に悩まされる人が増加しています。川越耳科学クリニック院長・坂田英明先生と、めまい相談医・神崎晶先生は、「フワフワするめまい」に悩む患者さんを数多く治療してきました。今回は、お二人が「めまい」を撃退する方法をまとめた著書『フワフワするめまいを治す最強の食事術 名医が教える新しいめまい撃退法』より、一部お届けします。
古くて新しい病気である
フワフワめまいという病気・症状があることは、昔から、多くの耳鼻咽喉科の医師が認識していました。
また、この100年の間に、研究者から慢性浮動性めまいを「症候群」(原因は不明だが、いくつかの症状が必ず現れるとき、病名に準じて使う医学用語)として見なそうという提案もされてきました。
例えば、私の父である坂田英治(えいじ)が、フワフワめまいを「仮性ダンディ症候群」として症候群として扱うことを提案しています(1985)。
ただ、それを1つのまとまった病気の概念として捉えようという、学会としての大きな動きはほとんどありませんでした。
そこに、大きな変化が起こりました。
2017年のことです。
めまいの国際学会であるBarany学会から、慢性めまいの原因として、「PPPD(Persistent Postural-Perceptual Dizziness:持続性知覚性姿勢誘発めまい)」という新しい病気の概念が提案されたのです。