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長年の不満が蓄積し、顔を合わせれば喧嘩ばかり……。もはや修復不可能と思っていた2人の距離を縮めたものとは。(構成=おかきプラス 撮影=本社写真部)

夫といざ“不倫ツアー”ヘ

夫から「夫婦同伴の夕食会に同席して」と頼まれた時のことです。開催地は行ったことがない遠方の町で、夫は現地で仕事があるため1日早く出発しました。

私は初めて1人で飛行機に乗るのが心細く、夫と頻繁にメールでやりとり。空港に迎えにきた夫がいつもと違って頼もしく見えました。

一緒に1泊し、翌日は夫が仕事をしている間、私は町の散策を楽しむ。夕食だけ合流しました。その時の会話は、なぜか新鮮。そして帰りも別々で、夫は職場に直行し、私は自宅へ帰る。まるで周囲をはばかる不倫旅行みたい。

以来、たまに夫婦2人の“不倫ツアー”を決行しています。待ち合わせ場所と時間だけ決めて現地で落ち合うと、お互い「こんな服装で来たの!?」と、格好すら目新しい。昼間は別行動にしたら、町中でバッタリ出会って驚いたり。「どうでもいい人」になってしまった夫との関係を修復する秘策です。
(47歳・派遣社員)

 

ワンダフルな“三角関係”

息子が巣立った後、「風呂・メシ・寝る」の3語しか話さない亭主にほとほと嫌気がさし、別居・離婚も視野に入れつつ、かすがいを失った熟年妻の悲哀を味わっていました。

そんなわが家にやってきたのが、ブルドッグのラッキーです。その愛くるしさを私以上に亭主が溺愛。そして愛情に比例して、亭主の発する語彙がどんどん増えていったのです。驚きでした。

おかげさまで、ラッキーを介して夫婦の会話も弾んでいます。名実ともにラッキーが、息子に代わる夫婦のかすがい。このまま、「夫婦+ワン」の良好な三角関係が保たれることを願っています。
(60歳・主婦)

 

特効薬は、危険な香り

子どもの独立後、夫との生活はむなしく、ラクダすら避けて通る砂漠のよう。馴染みのママがいる飲み屋にいそいそと通う夫に、離婚の二文字も頭に浮かびました。

ある日、私は思い切ってシニア向けの合唱サークルに入会。そこで出会ったのがバツイチのバリトン、Aさんです。クラシックから演歌まで音楽全般に詳しく、でも自分からはその知識をひけらかさない奥ゆかしい人!

どこか寂しげなAさんのお宅に、お弁当持参で時々遊びに行く私。もちろんサークル仲間と一緒ですが、ふとした拍子に2人だけになることもあり、往年のラブソングをハモったりすると、クラッとするほど危険な香りが。でも三段腹をAさんに晒す勇気はなく、なかなか一線は越えられない。

夫を笑顔で送り出し、私は合唱サークルヘ。Aさんと一緒だと血圧が上がるほど緊張しますが、家に帰って、夫の前ならイビキもオナラもOK。ホッとして以前より大事に思えるのです。実りそうもない熟年の恋は、離婚回避の特効薬かもしれません。
(62歳・主婦)