命が終わる時のおだやかな表情─人にやさしい認知機能障害。
認知障害はほとんどの人々にやってきます。
その症状が現れる年齢は一律ではありません。
しかし命が終わる時、痛みや悩みのために苦しまず、すべての認知機能を手放して仏様のような表情で旅立つことができるのは、認知機能の末期状態がもたらす、しあわせで安らかな死だと私は考えます。
認知症は、実は人にやさしい症状なのです。
※本稿は、『93歳、支えあって生きていく。』(Gakken)の一部を再編集したものです。
「普通に暮らすことができれば、それが一番のしあわせです」
93歳の現役介護職員が実践している、毎日を明るく楽しく生きていくための心得をまとめた一冊。
周りの人々と助け合いながら、ともに生きていくためのコツがたっぷり詰まっています。
出典=『93歳、支えあって生きていく。』(著:細井恵美子/Gakken)
細井恵美子
特別養護老人ホーム「山城ぬくもりの里」顧問
1931(昭和6)年4月18日、京都府与謝郡加悦町(現・与謝野町)で生まれる。17歳より国立舞鶴病院勤務。19歳で結婚。22歳で京都市九条診療所、丹後中央病院勤務。36歳で京都南病院病棟主任。37歳から60歳まで同病院総婦長および法人理事。人工透析、ICU・CCU導入、夜間透析、訪問看護開始。42歳で佛教大学通信教育課程文学部国文学科入学、44歳で身体拘束のない看護に取り組む。49歳で佛教大学社会学部社会福祉学科入学。京都南病院に在宅療養部開設、病院ボランティア導入。57歳で老人保健施設 ぬくもりの里設立、副施設長、京都府老人保健施設協議会副会長。70歳で社会福祉法人楽慈会 山城ぬくもりの里施設長、81歳で同顧問に就任。現在も介護現場に携わっている。60歳で京都府地域医療福祉功労賞、81歳で第27回ヒューマン大賞ほか受賞多数。メディア取材多数。主な著書に『訪問看護ステーションの基本と展開』(共著/医歯薬出版)、『医療福祉援助論』(共著/嵯峨野書院)、『めざせ110歳! 支え合い繋がりあって元気もりもり』(単著/文芸社)などがある。