幡本圭左さん(101歳)(撮影:藤澤靖子)
長生きするなら自分の足で歩き、毎日笑顔で過ごしたい――。元気に趣味や仕事を楽しむ93歳と101歳の女性の暮らしぶりを聞いてみると、その希望を叶えるヒントが見えてきました(撮影:藤澤靖子)

<前編よりつづく

財産を失い一念発起

東京・目黒区の住宅街、昔ながらの佇まいの「安全薬局」を訪れた。「外は寒かったでしょう? どうぞ座ってください」と笑顔で筆者を出迎えてくれたのは、御年101歳の店主・幡本圭左さん。カウンターには、「世界最高齢の薬剤師」のギネスブック認定証が燦然と輝いている。

「これは100歳になる少し前にいただいたものなんです。今は101歳なので、自分の記録を更新してしまいました(笑)」

圭左さんがこの地に店を構えたのは、約70年前。店舗兼住居の建物はほとんど、店を開いた当時のままだ。営業時間は月~土曜の10時~18時。休みは日曜と祝日のみだというから、かなりハードである。

「店が多忙になり、見かねて同じ薬剤師の次女夫婦が帰ってきてくれました。開業当時は市販薬や雑貨などを置いていましたが、次第に漢方中心に。現在は病気予防のための和漢薬などを扱っています」