圭左さんの起床は7時。目覚めたら10分間、ベッドの上で腕や脚を伸ばしたり自転車をこぐように関節を動かしたり、自己流の体操をして体をほぐす。スッと伸びた背筋にキビキビした動き。肌もつややかで若々しい。一体どんな食生活を送っているのか――。
「食事の支度は娘がしてくれるの。朝はトマトや豆類、ゆで卵、ハムなどが入ったサラダと、バナナ1/2本、チーズ、パン。それと手作りのヨーグルトを食べます。ワインや焼酎に漬け込んだ干しぶどうを小さじ2杯混ぜるのが、私のこだわりです」
昼は、ごぼうやかぼちゃなどあるものを何でも入れた具だくさんの減塩味噌汁とご飯、魚料理が定番。圭左さんも娘夫婦も甘いものに目がなく、17時のおやつタイムは欠かさない。
「夜はしょうが焼きなどの肉料理で、3食とも野菜はたっぷり。シニアの3人家族とは思えない消費量です。入浴を済ませたあとは、テレビの時間が楽しみ。スポーツ観戦がとにかく大好きで、先日のサッカーアジアカップは大盛り上がりでした(笑)」
圭左さんは1922年、長野県に生まれた。一家で東京に引っ越したのち、「これからは女も手に職を持つべき。免状は役に立つし、薬剤師ならずっと続けられる」という父親の勧めで、東京・谷中の東京薬学専門学校(現・東京薬科大学)女子部に進学。20歳で卒業し、化学工場の研究室に就職した。
「働き始めて2年が過ぎた頃、徐々に戦争が激しくなり、父も体調を崩して亡くなったため、家族で長野に疎開しました。東京では空襲で焼け死んだ人が隅田川に浮かんでいるのも、機銃掃射で隣家の梅干しのが割れるのも見ています。それでも私は無事でした。何かに守られていたとしか思えません」