まずは全員がそれぞれ買いたいものを、2つのかごに入れていき…(写真はイメージ。写真提供:photoAC)
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買い物は「検査」しよう

先日、近所のスーパーへ買い物に行った時のこと。3歳くらいの孫とおばあちゃんとすれ違いました。若いお母さんは別の売り場で品物を選ぶのに夢中。おばあちゃんは、孫を見る係として連れて来られた様子です。

「あれ買う、これ買う」と、ちょこまかと動き回る孫を、「家にあるから要らないでしょ」などと言いながら追いかけます。あれでは帰ったらヘトヘトだわ、と思いながら、昔のことを思い出しました。

わが家は自営業で田舎暮らし。買い物は大抵、私、夫、娘の3人で行っていたのですが、お会計前に行う習慣がありました。まずは全員がそれぞれ買いたいものを、2つのかごに入れていきます。それが一杯になったら店の隅へ移動して、本当に必要なものかどうか、全員で検討するのです。わが家ではこれを「検査」と呼んでいました。

娘が5、6歳の頃のある日。私の母と娘の2人でスーパーへ買い物へ行きました。母は孫娘がかわいいので、たくさんお菓子を買ってやりたくなり、すぐにかごがいっぱいに。すると娘が母を隅のほうへ連れて行き、「検査」を始めたのです。

ああでもない、こうでもないと言いながら品物を減らし、本当に欲しいものだけを買ってもらって帰って来ました。母はとてもびっくりして、何度もこの話をしていたものです。

娘とはよく喧嘩しましたが、お金に関しては一度も心配したことがありません。「検査」の効果があったのかな。


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