なつかしい人たちと過ごした10日間…(写真はイメージ。写真提供:photoAC)
時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは兵庫県の70代の方からのお便り。コロナ前まで、海外で障がい者をサポートするボランティアをしていた岡田さん。ベトナムの施設でお世話になった人からの久しぶりの連絡に、もう一度だ行きたいと思い――。

4年ぶりに連絡をもらった

コロナ前までは、いろいろな国で、障害者をサポートするボランティアをしていた。どこの国もこの年齢で受け入れてもらうのは簡単ではなかったが、縁あってベトナムのフエにある施設には3度も行くことができたのだ。そこでは健常者のご夫婦がディレクターとして、障害を持つ子供たちとの間を取り持ってくれて、大変お世話になった。

昨年暮れのこと。もう4年も音沙汰のなかったそのご夫婦から、「お元気ですか?」というメッセージが舞い込んだ。驚いたが、覚えていてくれたことが嬉しくて、「もう一度だけ行かせてください」と返信。体力もなく、ボランティアと言ってもむしろ迷惑な存在かもしれないとも思う。けれど、利用者たちともう一度お会いしたい、触れ合いたいという思いが抑えられない。

「来られるよう調整してみましょう」と返事が来て1ヵ月。あきらめ始めた頃、「すべてあなたの面倒は見ます。来てください」とメールが来た。面倒を見る? 意味がわからない。負担をかけてはならないと、滞在予定の10日間はホテルを取ったのだが、「すべてキャンセルして、施設のゲストルームに泊まるように」と、きっぱりとした指示が来た。