さいごに
子どもが望むのは、なによりも両親が争わないこと。共同親権が導入されても親権争いで係争が長期化するのでは意味がありません。共同親権に相応しい親は「協力的な親であること」が改正民法には掲げられています。
子どもが望む円滑な共同養育を実践するために大事なのは「自分自身が共同養育しやすい相手になる」ことです。
他責の念に囚われ相手を憎み続けるより、離婚で夫婦関係をリセットするならば父母としての関係性を能動的につくること。相手への負の感情を少しずつ解放できたならば、子どもはもちろんご自身の気持ちも楽になるでしょうし、きっとその変化を子どもは敏感に感じ取り笑顔が増えていくと思います。
また、共同親権導入に伴い争わない離婚協議に向けた司法改革や行政の支援体制の強化も必須となります。離婚後の父母、そしてなにより子どもたちの幸せにつながるように施行、運用されていくことを期待します。
『離婚・別居後の共同養育実践マニュアル」(著:しばはし聡子/遠見書房)
本書は,離婚した元夫婦がふたりで子育てに関わる方法やコツを伝える本です。著者は,自身も離婚後に子どもの共同養育を模索してきた経験を持ち,同じ悩みを持つ方を手助けしようと一般社団法人りむすびを立ち上げ,多くの元夫婦の共同養育をサポートしてきました。 わだかまりを抱えた元夫婦やカップルがどうやって共同養育をしていけばよいのか。本書では,さまざまな状況別の共同養育のケースを紹介しながら,争わない関係づくりや親子交流のやり方,共同養育の取り決めの具体例や実践するときのノウハウを伝授します。 子どもがいて離婚をする(かもしれない)人にぜひ読んでほしい一冊です。