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災害や事故、介護や相続など、人生には不測のトラブルや、避けられない困難が訪れます。とはいえ、気軽に聞ける弁護士や税理士が身近にいるとは限りません。専門的な知識を得ることで、冷静な判断で被害を減らしたり、計画的に備えたりすることができます。ジャーナリストとして長年さまざまな現場を取材しているファイナンシャルプランナーの鬼塚眞子さんに、暮らしに役立つ豆知識を聞きました。第8回は「離婚の種類と養育費」です。

前回 「離婚で子どもの戸籍や苗字はどうなる? 絶縁したら相続権はなくなる? 年間離婚42万人の時代、通称OKの学校も」はこちら

離婚の種類と養育費

今や年間約42万人の男女が離婚をする時代です。私が理事長を務める社団「(社)介護相続コンシェルジュ」にも、お子様が離婚問題を抱えていて、一方で自分は親の介護に向き合っていかなければならない、というような相談も多く寄せられます。

「離婚は紙切れ1枚で終わり」と思いきや、子どもがいる場合などは、さまざまな取り決めをしなければならず、簡単ではありません。

実例を紹介しながら、今回は養育費にスポットを当てたいと思います。

一口に離婚と言っても、「協議離婚」「調停離婚」「審判離婚」「裁判離婚」の4つの方法があり、2021年の人口統計資料によれば、約9割の方が「協議離婚」で離婚をしています。

【表】日本の離婚総数とその方法の割合

協議離婚とは、夫婦で話し合って離婚に合意し、離婚届けを役所に提出するものです。

表にある「調停離婚」「審判離婚」「裁判離婚」とは何でしょうか? ざっくりと説明していきましょう。

「調停離婚」(正式には夫婦関係調整調停)とは夫婦の話し合いがまとまらない場合などに家庭裁判所の調停を利用するものです。家庭裁判所では裁判官、あるいは調停委員(男女一人づつ)が当事者の話を聞いたり、提案したりして進めていきます。

夫婦のどちらか一方が家庭裁判所に申し立てを行いますが、所轄の家庭裁判所は相手方の住所地の家庭裁判所、又は当事者が合意で定める家庭裁判所となります。

どこの家庭裁判所が所轄になるかわらない場合は、裁判所のHPで調べることができます(各地の裁判所一覧 | 裁判所(courts.go.jp)。