『麻雀界』高橋常幸編集長(以下写真:『婦人公論.jp』編集部)

出版不況が言われて久しいですが、特に苦境に立たされているのが「雑誌」です。2020年だけで100誌以上が休刊。書店の数が減り、近年では物流問題も加わるなど、環境は厳しさを増すばかり…。そんななかでも刊行を続ける雑誌の強さのヒミツとは? 麻雀関連の雑誌が次々に姿を消す中、”唯一の業界専門誌”として刊行を続ける『麻雀界』の高橋常幸編集長にお話をうかがいました。(全2回の1回目/後編に続く)

『麻雀界』とは

――『麻雀界』について、あらためてご説明いただけますでしょうか?

月刊誌として毎月1日に発行しています。流通のメインは書店販売ではなく、定期購読です。アマゾンでも購入できますが、麻雀業界全体の動向を追っている雑誌でもあるので、雀荘経営者など、業界関係者が読者の多くを占めています。

編集部としては私を含めて3名。今まさに最新号が製本所からあがってきたところなので、スタッフ総出で発送作業を進めています。ちなみに以前は550円でしたが、4月号から660円に値上げしました。

内容としてはその月ごとに大きなイベントや大会があるので、その取材記事がメイン。それに加えてプロ雀士たちの活動や業界の取り組み、そして連載をまとめている感じでしょうか。

もともと『月刊プロ麻雀』という1975年刊行の雑誌があり、それが季刊誌『麻雀四季報』に変わりました。

その季刊誌のときに、当時プロ雀士だった自分が携わる機会を得て、2010年の『麻雀界』リニューアルあたりから本格的に合流。前任者から編集長職を継いだ後、2015年からは隔月刊を月刊にして今に至っています。