最初から“本物”の人たちと仕事ができた

僕の初舞台は、2004年の音楽劇『リンダ リンダ』です。この時も作・演出の鴻上尚史さんからのオファ―で、その熱意が伝わり、出演を決めて。今回の『Change the World』は舞台デビュー20年目という節目での作品となりますが、そもそも自分が俳優業をやるようになるとは思っていませんでしたし、こんなに長く続けるものとは……。

鴻上さんとの出逢いによって演劇の世界を知ることになって、2002年にはドラマ『人にやさしく』で香取慎吾くんや山本耕史くん、加藤浩次さんや須賀健太くんといった共演者やその時のプロデューサーといった骨のある人たちと出逢い、ドラマの世界も知ることができました。

2007年には、ミュージカル初挑戦にして主演という、『タイタニック TITANIC the musical』をやることになって。イギリスで有名な演出家のグレン・ウォルフォードさんにも出逢えました。この作品がご縁で、宝田明さんの演出作品でも主演し、逆にSOPHIAのミュージックビデオに宝田さんに主演俳優として出演していただいたことも。どのジャンルにおいても、最初から“本物”の人たちとお仕事できたことは、自分の中での大きな財産になっています。

舞台『Change the World』で演じるのは、ベテラン刑事・世田志乃夫(せたしのぶ)で、今は稽古の真っ最中です。キャストのみなさんはいろいろなジャンルで活動されている方々ですが、僕はほぼ初共演の方ばかり。なので、どんなふうになるだろうと思っていましたが、いざ稽古に入ってみたら、みなさんの懐の深さや実力の高さにすぐ「これはすごい!」と感じて。

僕の役は、世田という人物と、ストーリー全体における狂言回しの役割もあって、セリフがダントツに多いんですよね。でも、共演者のみなさんもセリフや動きで表現することが多岐にわたりすぎていて、もう自分が大変だとは言っていられないという(笑)、そんな座組です。

(撮影◎本社 奥西義和)