父親が連れて行ってくれた釣りとカーステの音楽

僕もよく言われるんですよ、ずっと働いているね、休まないね、と。自分では常に働かなきゃとはまったく思っていないんですが、気づくと、ずっと活動しているようなスケジュールになっているんです。それは親の影響ですかね。

両親が共働きだったので、学校から家に帰ると、誰もいないわけです。姉がいますが、全然かまってくれないので(苦笑)、ずっと独りでいることが多かったんですよね。振り返ってみると、忙しい中で親父が唯一連れて行ってくれたのが、釣りでした。だいたい朝が早かったり、夜釣りだったりするので、ちょっと眠くてぼんやりしている状況。釣り場に行くまでと帰り道はずっと車に乗っていたので、カーステレオでかかっていた音楽をひたすら聴いていた印象がありますね。それがかなり僕の音楽性に影響しています。

そして、親がいろいろな仕事にチャレンジして職種が変わることもあり、転校が多かったんです。急に「明日、転校するよ!」と言わることも(笑)。でも、子どもには子どもの社会があるので、どうやって友達に言うべきかと悩んだりして……。そんな転校を高校生までに4回、引越しは8回しています。場所も関西から山口県へ、山口県から兵庫県とか。なかなか友達ができないんですよね。

それこそ関西と中国地方だと方言が違うから、いじめられるんです。そうして友達がいなくなってしまって、家に帰っても独りだから、外に出て。当時は、学校から帰ったらカバンはあるけど姿がない、というぐらいに山や川に遊びに行っていましたね。動物や虫も大好きになりました。

(撮影◎本社 奥西義和)