街全体が様変わりしているまっ最中
このレシピの変化球として、もう一品。
「明太子ディップ」もわたしがよく作るおつまみ。数々のホームパーティーにこればっかり持って行きすぎて、
「あ、いずみちゃんまたコレね。」
と友人たちにはすっかりお見通しな料理だ。
昔からどこへ持って行っても小さな子どもにも大好評で、クラッカーとこのディップがあっという間にお皿から消えてしまう、これまたわたしの自信作。
マスカルポーネチーズかクリームチーズに「コレでもか!?」というほどの粒明太子をたっぷり入れて、昆布だし、お醤油を加えて練り合わせる。クラッカーを添えて、出来上がり。
怒る気にもならないくらい、簡単でしょ?
バターがチーズに代わっただけのこの2品で、大神いずみは明太子料理の達人のように語っているのが感じ悪いと言う、アナタ。
まあ黙って一度、このとおりに作ってみていただきたい。
簡単すぎる上に美味しすぎて、あなたも明太子のある国に生まれてああよかった、と胸に手を当てて思える2品。ぜひぜひお試しあれ。
今は「天神ビッグバン」とやらの名の下に、福岡市の中心地・天神がビックリするくらい再開発されている。
新しいビルやお店、街並みがデデン、デデンと現れていて、たまに福岡に帰省するわたしなど、
「この前ここにあったお店が、あれ?もうない!!」
「移った!」
「新しくなった!」
「で、どこだココ!!?」である。
街全体が様変わりしているまっ最中。確かに、さらに便利で効率の良い街に生まれ変わっている途中なのだろう。
昔大好きだった絵本に『ちいさいおうち』というのがある。
一軒の小さいおうちに、四季が巡り人々が生まれ、成長し、賑やかだった街並みも月日とともに景色がどんどん変わっていく。やがて小さいおうちは背の高いビル群に囲まれて埋もれていくのだけれど…というお話。
まさに今わたしの福岡の記憶は、高いビル群に囲まれてすっかり埋もれかかっている。
でも、まだ1人で暮らしている実家の母が元気でいてくれる限り、兄とわたしは安心して故郷の実家を訪ねることができるし、
食べ慣れた明太子を甘えて無心することができている。
そこだけが今も、わたしの故郷のままでいてくれるのだ。