親が子どもに気を遣わせていませんか

6歳までは伸び伸びと育てられていたお子さんが、小学校に入ったとたんに萎縮してしまうことがあります。たいていは親御さんが、点数至上主義である場合が多いようです。

テストの結果だけを見た親はがっかりして、思わず顔に出してしまいます。子どもは、親をがっかりさせたことで悲しい気持ちになるので、悪い成績をとったときは、内緒にしようと考えます。

(写真提供:Photo AC)

子どもにそんな気を遣わせてはいけません。よい成績をとろうと、たまたま点数が悪かろうと、あなたのことが大好き、という気持ちをいつも忘れないでください。

親のほうは、わが子がよくない成績表を持ち帰ると、この子には才能がないのか、それとも素質が悪いのかと悩んでしまうかもしれません。

覚えておいていただきたいことは、学力は才能や素質ではないということです。

人間が本来備えている知能に大きな差はないと言われます。だれでも努力し、やり方を工夫すれば学力はつきます。つまり、学力のあるなしは、やったかやらないかの差なのです。

誰でもきちんと時間をとって勉強すれば学力はつきますし、勉強しなければ学力はつきません。

もちろん要領の善し悪しや性格による違いはあります。短時間で勉強ができ、学習内容が記憶によく残るタイプと、時間がかかり記憶に残りにくいタイプとがあるのは確かです。

しかし、前者のタイプの子も、だんだんと内容が複雑になるとそれまでのように短時間で理解できるというわけにはいかなくなります。中学・高校・大学と高度な内容を学習するようになれば、だれでも時間をかけて積み重ねる勉強が必要なのです。