譲ることは年寄りの知恵
「お義父さんよりも先にお風呂に入るのは申し訳ない」と遠慮していたお嫁さんでしたが、じつは、夕食の支度や子どもたちの面倒を見ているから、そうそうお義父さんの都合にも合わせていられないと感じていたようです。
「自分からはなかなか言い出せなかったので、お義父さんから話をしてくれてよかった」とホッとした様子。
こうしたやりとりが、一番風呂だけではなく、食事の時間帯や料理の献立、掃除の仕方や範囲、あるいは経済的な負担などについてもあり、日を追うごとに「ルール」ができていったそうです。
親子や家族といっても、考え方や価値観は違うものですから、我慢ばかりしていては長続きしません。「譲れないもの」もあるでしょうが、「どちらでもいい」と思えることは、意地を張らず、相手に合わせたほうが賢明です。
そうでなくても、加齢とともに誰もが頑固になりやすいといわれていますから、「譲ることは年寄りの知恵」くらいに考えて暮らすのがいいでしょう。