肌質の変化のストライクゾーンを知る

私たちが美容クリームに抱く「合うものがない」という不安感。

それは肌環境の変化よりも速く肌を変えることが「できそうにない」という不安感だと表現できます。

『美容の科学:「美しさ」はどのようにつくられるか』(著:尾池哲郎/晶文社)

逆に言えば、環境の変化よりも速く肌を変えることができる美容クリームであれば安心できるということです。

となると、その美容クリームの性能だけでなく、使い方も重要になってきます。美容クリームに必要な性能は2つです。

・「肌質の変化の幅」をすべてカバーできること
・「肌質の変化の幅」を超えてしまった場合の対処法があること

「肌質の変化の幅」とは、「乾燥肌」と「しっとり肌」の変化の幅のことです。この変化の幅は季節によっても変わり、年代によっても変わります。

目のまえの美容クリームになんとなく抱きはじめる不安感は、その美容クリームがカバーできる肌質の変化の幅を超えてしまった場合の対処法が見当たらないからです。

ということは、変化の幅の中央値(ストライクゾーン)がとても重要になります。

その美容クリームが、その変化の幅の片方だけをターゲットにしている場合、たとえば極端に乾燥した場合だけをターゲットにしていると、変化の幅の逆サイド(しっとり側)をカバーできなくなります。

購入する美容クリームの目指す肌質は最小値と最大値の間、つまり肌質の「ストライクゾーン」を狙うべきです。

それはもしかしたら「もの足りない」と言われているゾーン(肌感覚)にあるのかもしれない、と私は感じています。

「これは少しもの足りない」と感じる美容クリームが、もっとも最適な美容クリームである可能性が高いです。