(画=一ノ関圭)
詩人の伊藤比呂美さんによる『婦人公論』の連載「猫婆犬婆(ねこばばあ いぬばばあ)」。伊藤さんが熊本で犬3匹(クレイマー、チトー、ニコ)、猫2匹(メイ、テイラー)と暮らす日常を綴ります。今回は「中国とズンバ」。講演ツアーのため中国に行った時のこと。夜、ズンバ講演会が開かれ大人数でやるズンバの楽しさに目覚めた伊藤さんは――(画=一ノ関圭)

中国で『閉経記』の翻訳が人気なんだそうだ。それで先日、中国に行って、講演ツアーをしてきた。中でも楽しかったのは北京の夜、クラフトビールのあるイベントカフェでやったズンバ講演会。ズンバズンバズンバズンバと『閉経記』に書いてるものだから、出版社が企画してくれた。

こんな企画、去年なら、たるみ切った身体と何をするのもよっこらしょの体力で、到底できなかったろうが、今のあたしは第二期ズンバ高揚期、一週間に七回、ズンバに通ってますから、どこまででもついていける。

ビールを片手に講演をやって、それから人生相談もやって、読者たちは、日本の読者たちより若い人が多く、二十代、三十代が主で、笑い、あるいは泣き、サイン会にも辛抱強く並んでくれた。そしてその後、プロのズンバの先生が登場して、ぎゅうづめのフロアで百人(そんなに大勢が残っていてくれたのだ)の女が踊った。

あたしはズンバの先生に、前に出ろと目で指示をされ(ズンバはなるべく言葉を発しないのがルールだ)、仕方がない、恥ずかしかったけど前に出て、先生の隣で、みんなの方を向いて、踊りまくった。