快眠の心得3カ条
私が65歳以上のみなさんにおすすめしている習慣は、「遅寝」「遅起き」「だらしなく」の3つです。「早起きは三文の徳」と言われますから、意外に思われる人も多いでしょう。
再びホルモンの話に戻りますが、眠りを誘うホルモンのメラトニンが最も多く分泌されるのは0~6時です。つまり、この時間帯が最も眠りやすいということ。さらに、メラトニンが多く分泌される時間帯に寝ていると、成長ホルモンも分泌されやすくなるのです。
成長ホルモンには新しい細胞を生み出す役割があり、健康寿命を延ばすうえでとても重要。特に寝始めの3時間で大量に分泌されますので、寝つきがいいに越したことはありません。
逆に、「いかにうまく起きられるか」を司る「コルチゾール」というホルモンは、体温を上げる働きによって目覚めを促すのですが、深夜3時頃から出始めて、5時半~8時半頃にピークを迎えます。ですので、朝4時や5時に起きてしまうとこのリズムにそぐわない。早起きより「遅起き」を心がけ、0時頃に床に入って6時間半~7時間ほど眠る、というのが理想の睡眠習慣でしょう。
コルチゾールは別名「ストレスホルモン」とも呼ばれていて、ストレスを感じる時に多く分泌されます。大切な予定がある前の晩、「寝坊したら困る!」と考え過ぎて、逆によく眠れないことがありませんか?
これは、「ちゃんと起きないと」というストレスによって、コルチゾールが過剰に分泌されている証拠。「はやく寝ないと」という焦りもまたストレスとなって、むしろ覚醒を促す可能性があります。寝る時は、気負わずだらしなく、リラックスした状態を心がけてください。