(写真提供:Photo AC)
厚生労働省が公開している2020年の「介護保険事業状況報告」によると、施設に入所している<寝たきり>の人は300万人以上もいるそう。そのようななか、高齢者のリハビリを20年以上続けてきた理学療法士の上村理絵さんは「老化することを最後まであきらめなければ、回避できる寝たきりもたくさんある」と話します。そこで今回は、上村さんの著書『こうして、人は老いていく 衰えていく体との上手なつきあい方』から、老化に負けない元気な体を手に入れる方法を一部ご紹介します。

服をしまった場所が思い出せないのは認知症?

2025年には、5人に1人が認知症になる。

そんな予測データがあり、さまざまなメディアが盛んに警鐘を鳴らしていると、ちょっとしたことでも気になって、不安が生じてしまいますよね。

そこで、認知症と認知機能の低下についてお話ししたいと思います。

さまざまな認知機能のうち、記憶力に関しては、18歳前後をピークに加齢とともに衰えていきます。

40代後半ぐらいになると、多くの人がもの忘れを経験するようになり、記憶力に加え、視力、計算力、集中力、注意力などの認知機能の衰えを感じるようです。

そのため、なかには「自分は認知症では?」と疑いを持つ人もいるかもしれませんが、老化によるもの忘れと認知症は根本的に異なるものです。