これが認知症の中核症状
皆さんは、服を着ようとして、着られずに困ったことはありますか?
おそらく、そんな経験はないでしょう。
むしろ、ほとんど無意識のうちに衣服を身に着けているという方が多いのではないでしょうか。
ところが、認知症を患っている人のなかには、服の着方さえ、わからなくなってしまう人もいるのです。
衣服をたんすから取り出す。
この時点では、衣服が必要で、また衣服が置いてある場所もわかっています。
それなのに、いざその服を身に着けようとすると、手足のまひなどはないにもかかわらず、首を通すところに腕を通してしまうなどして、いつまでたっても着ることができないのです。
このように、運動機能に問題がないのに、いつもの動作や行動などが目的通りに行えなくなることを「失行」といい、認知症の中核症状の1つとされています。