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食品が傷む要因には、直射日光や温度、湿度などさまざまあります。保存方法を誤ると風味や食感が損なわれたり、食中毒を引き起こしたりする恐れがあるため、食品ごとに適切な環境で保存することが大切です。食品の保存について、知っておきたい基礎知識をまとめました。
この記事の目次
食品はなぜ傷む?
常温・冷暗所・要冷蔵の違いは?

食品はなぜ傷む?

食品が傷むのにはいくつかの要因が絡んでいます。

〈温度〉

食品によって保存に最適な保存温度は異なり、必ずしも低温での保存がよいわけではありません。イモ類や根菜類などは常温保存が望ましく、冷蔵庫に入れるとかえって傷んでしまうこともあります。

〈湿度〉

湿度が高いとカビや菌が繁殖しやすくなります。

常温保存の食品の場合は、シンク下など湿気がこもりやすい場所は避け、風通しのよい場所で保存するとよいでしょう。

〈エチレンガス〉

野菜や果物が放出する「エチレンガス」には熟成を促進する働きがあり、傷みを早める原因になります。

特にりんごや桃はエチレンガスを多く放出するとされています。近くに他の野菜や果物を置いておくと傷みが早まってしまうので、保存の際はポリ袋を活用するのがおすすめです。

ただしこの性質を利用すれば、まだ食べごろではない果物を早く熟れさせることもできます。もし青いバナナや固いキウイなどがあれば、りんごなどと一緒にポリ袋に入れてみるとよいでしょう。

 

エチレンガスを多く放出する果物。りんご、アボカド、桃、マスクメロン、アンズ、洋梨など。

〈酸素〉

食品は、空気中の酸素と反応して徐々に酸化が進み、品質が落ちていきます。りんごの断面が茶色くなったり、揚げ物に使う油が異臭を放ったりするのも酸化によるものです。

茶色いりんごは食べても健康に影響はありませんが、酸化した油は食中毒を引き起こす恐れがあります。油が酸化すると異臭のほか、「色が黒っぽい」「粘りがある」といった変化も起こりますので、古い油を見極める判断材料にしてください。

〈光〉

太陽などの光が食品に当たると、温度が上昇したり、化学反応を起こしたりして品質が劣化してしまうことがあります。食品のパッケージに「直射日光を避けて保存してください」といった注意書きがあるのはこのためです。

〈微生物〉

食品に菌が付くと、タンパク質や脂質などの成分を分解する過程でアンモニア、硫化水素、アルデヒドなどの有毒な物質を作り出してしまいます。

中には熱に強い菌もいるため、加熱すれば安心とは限りません。一度開封した食品は、菌を付着させない・増殖させないよう早めに使い切るのが大切です。

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