子どもは「甘やかす時代」になった

――ところが、AI時代には、そんなわけにはいかない。

「いい子」に育てると、残念ながら使えない人材になってしまうからだ。

(写真提供:Photo AC)

汎用の優等生の知識はAIが持っている。歯車人間の役割もAIがする。

人間に残されるのは、個性を発揮すること。

その脳にしか感じられないこと、その脳だからこそ生み出せることばが価値を生む時代になったのである。

そんな時代に、子どもたちの脳が感じていることを大人の論理で封じて、「いい子」に仕上げてどうなるわけ?

「上の言うことを疑わずに従う回路」を使うとき、ヒトは「感じたことを顕在意識に上げる回路」を封じる。

つまり、歯車人間に「斬新なアイデアを出せ」とか「自分のことばで表現しなさい」とか言ったって無理なわけ。

まぁ、汎用の優等生の脳は、育てるのに楽だし、人に嫌われないので、多少はいいけど、20世紀ほど「いい子」に追い込むことはない。

AI時代を大いに楽しんでほしいと思ったらね。

2024年以降を生きる、すべての親と祖父母たちに、この真実を知ってほしい。

子どもは、甘やかす時代になったってこと。

もちろん、言うことをなんでも聞くという意味じゃない。

言った気持ちを受け止めること。言った通りにするかどうかは、また別の話。