選択的夫婦別姓が認められたら

わが家はもともと家事も育児も対等です。むしろ夫のほうが得意かもしれません(笑)。私は料理が苦手なので、毎日の食事の支度は夫の担当で、掃除や洗濯などはたいてい私が。それも、きちんと半々というわけではなく、その日のスケジュールによってできる人がやる、という生活をしています。

先日は、夫が講演で使う資料をパソコンで作っていたのですが、あまりにもたもたしていたのを見かねて、「私がやったるわ」と交代して。

その間に、夫が私の着物のほつれていたところを繕って直してくれたんです。わが家ではそれがあたりまえなので、日常生活でモヤモヤすることもありません。

そんな現在の生活に不満はないものの、もしこの先、選択的夫婦別姓が認められたら、施行される日の午前零時にすぐさま再婚したいと思っています。私たちの関係は絶対に揺らがないという自信はありますが、事実婚の場合、さまざまな手続きをする際にとにかく面倒なことが多いのです。

先日は息子のパスポートを作ろうと2人で手続きに行ったら、親権者である夫でないとダメだと言われました。万が一、私たち夫婦のどちらかが倒れて救急搬送されたとき、法的な婚姻状態にないと病室に入れない場合もありますからね。

家族で住んでいる家も私の名義になっているので、将来、相続の問題が生じたときに法律婚をしていたほうがなにかとスムーズでしょう。

こうした数々の不便を取り除くためにも、選択的夫婦別姓が早く認められてほしい。未婚化、少子化が進んでいるのに、「夫婦は同じ姓でなければならない」というハードルがあるせいで結婚に踏み切れないカップルがいるのは、本当におかしな話です。

夫と妻を結びつけているのは、決して「姓が同じ」ということではありません。一緒にいることに喜びを感じ、同じ価値観を持って人生をともに歩んでいく――そんな心と心のつながりが、夫婦にとって一番大切な絆になってくれるのだと思います。