一生つきあっていかなければならない病気

2019年に記者会見で病名を公表したときには、私もそんなことは知りませんでした。

完治に向けてまっすぐにがんばればいいと考えていたんです。

『なにわ介護男子』(著:宮川大助・花子/主婦の友社)

ところが多発性骨髄腫は、治る病気じゃなかった。

症状に応じて適切に治療しながら、一生つきあっていかなければならない病気でした。

最初からそのことをもっと意識しておけば、防げたことがたくさんあったと思います。

この記事を書いたのは、私自身の苦い経験から得たものをできるだけ多くの人々に伝えたいと考えたからです。

多発性骨髄腫は、悪性リンパ腫や白血病と同じく血液のがんですが、発症するのはたいてい60代以上。

そのため、若い人たちはほとんど知りません。年輩の人でも知らない方が多いでしょう。かく言う私も初耳でした。

知識がないために患者だけでなく家族もポカンとしてしまい、何をどうすればいいのか、どこに注意して生活すればいいのかわからず右往左往してしまうんです。

もし多発性骨髄腫と診断されたら、病気をちゃんと理解して賢く闘病してください。