一戸建てから引っ越してきた
私鉄の最寄り駅からは徒歩約10分。落ち着いた住宅街にあります。築古で小規模ですが、ハイグレードの、ファミリー層が多い低層マンションです。3LDK、75m2。専用ポーチと専用庭付きの1階住戸。広かったため、けっこう値の張る買い物でした。でも、堅実に蓄えてきた定期預金を崩すなどして、物件価格の4割を自己資金として入れました。残り6割は住宅ローンを組みました。
ちひろさんは、メガバンクから(!)融資が受けられました。さすが、不動産では最強の属性の正社員です。半分を固定金利、半分を変動金利で、20年ローンにしました。金利は0.875%。実は、もうローンは完済しました。「計算してたのよ。定年前に完済しよう、って。ボーナスが出たり、定期預金が満期になったりしたら、そのたびに繰り上げ返済したの」
一戸建てから引っ越してきたため、最初は狭いと感じたそうです。おかげで「モノがあふれてて」、3つの個室のうち1部屋は「物置状態」と、苦笑します。前の家でも母は庭木の手入れをしていたので、ここでも庭にはバラやチューリップなどを植えています。ちひろさんも庭いじりをします。多忙でストレスの多い日々のちょうどいい息抜きです。
ちひろさんが特に気に入っているのは、庭からの風が家の中を気持ち良く通り抜けること。春や秋に在宅している時は、庭側の掃き出し窓を開けて、風を通します。マンションならではの防犯性と、一戸建てみたいな開放感の、両方が享受できます。
ちひろさんは以前は、ほとんど自炊をしたことがありませんでした。母が作ってくれますし、仕事も多忙でしたから。ところがコロナで在宅勤務になった間、あまりに暇だったので、料理に手を出してみました。そしてすっかりハマりました。職場通勤に戻った今も、料理は続けています。台所でワインを開けて、飲みながら作るのが楽しいのです。「料理ができる頃には、すっかりこっちが酔っ払っちゃって」と笑います。